リンゴンベリーの収穫

リンゴンベリーの最適な収穫時期は8月末から10月初旬。人口の多い都市部や工業地帯から離れた、人もまばらな地域の清らかな環境で実ったリンゴンベリーが収穫されます。フィンランドの森林の95%は肥料を使っていないため、有機認証されたものとして販売することも可能です。フィンランドには有機認定された世界最大の収穫エリアがあり、年間熟成量の約10%が収穫されます。手持ちタイプの収穫ツールを使うので収穫には時間がかかり、車両の乗り入れも禁じられています。

収穫条件は、果実全体が完全に赤くなり、完熟していること。収穫したベリーは、食品用の清潔なバケツや箱に入れて運びます。野生リンゴンベリーは手持ちタイプのベリー収穫ツールを使って収穫します。収穫業者は、かがむ作業を減らして腰痛を予防するために、柄の長い、いわゆるベリー収穫熊手を使います。フィンランドの店や市場では様々なベリー収穫ツールが販売されています。収穫ツールを使うと収穫作業が速くなりますが、収穫ツールを乱暴に扱ってベリーの木を傷つけないよう配慮が必要です。

収穫したリンゴンベリーは収穫ツールからバケツや容器に移され、販売用に運搬されます。暖かさと日差しはベリーのビタミン成分を低減させるので、収穫したベリーは日に当たらないようにします。ベリーは衛生面に配慮して取り扱います。収穫時の衛生管理は、その後の処理や製品化プロセスで求められる一連の品質管理の第一段階なのです。

 

業界は様々なニーズに応えるためにリンゴンベリーを購入します

業界は最初の購入者から毎年6000~1万1000トンのリンゴンベリーを購入します。販売用ベリーの収穫者はベリーを洗浄する必要がないため、葉が混入している場合もあります。最初の購入者の所までは収穫者が運搬します。通常、最初の購入者は未洗浄のベリーを購入します。使用するまでより良い状態に保てるからです。最初の購入者の所から業界の工場までは大型トラックで運搬し、そこで冷凍します。収穫当日に-40℃のトンネル型フリーザーで冷凍します。

収穫時期が終わったら、冷凍リンゴンベリーを工業用洗浄機械で洗浄します。かけら等は送風機で除去します。茎なども機械で除去し、光学食品選別機が色の良くないベリーを除去します。個別急速冷凍(IQF)されたリンゴンベリーは、業界からベリー製品加工業者やケータリング会社、小売り用パッケージにしたものはスーパー等の食品店を通じて一般消費者に販売されます。ベリーとベリー製品の品質は業界で厳しく監視しています。これにより、家庭の冷凍庫でゆっくりと冷凍されたものよりもベリーの栄養価値と品質が維持されるのです。

冷凍以外にも乾燥という処理方法があります。リンゴンベリーは主に、最大約45℃の温風で空気乾燥します。水分を蒸発させることでベリーに含まれる酵素活性と微生物活動を防ぐのです。残留水分が約10~12%になったら乾燥完了。生のベリー1キロが約100グラムの乾燥リンゴンベリーになります。

特殊製品を加工する場合は、より費用の高いフリーズドライも可能です。フリーズドライは非常に低温(約50 °C)で吸引することにより水分を液体から一気に気化させて乾燥させます。姿かたちや栄養成分を非常に良い状態で保存できます。

 

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